【事例】フレーム切手のセットアップ ~仕上がり品質維持の秘密~
みなさんこんにちは。
パラシュートでは年間を通じて、フレーム切手のセットアップを担当させていただいています。
近年は、フレーム切手をご存じの方も増えておりますが、まだご存じない方は、こちらをご覧ください。
カバー画像のフレーム切手は、「富士山 世界文化遺産登録一周年記念」というタイトルです。前年の世界遺産登録記念に続き、セットアップは私たちが担当させていただきました。
◆定番仕様
フレーム切手の定番の仕様はA3二つ折のものです。
この場合のセットアップ内容は
- 部材(台紙など)の検品
- 台紙の折り
- 切手シートのPP封入
- 切手シートPPを台紙にセット
- 外装PPへの封入封緘
- 梱包・納品(複数納品先対応)
といった手順です。
◆検品の重要性
フレーム切手は、企画制作・限定数量のプレミア度の高い「切手商品」です。
もし自分が購入したとして、少しでも傷や不具合があると、とても残念な気持ちになってクレームを言いたくなります。
プレミア度の高い商品だけに、購入される方はきっと私と同じ気持ちになるハズです。
そう思いますので、仕上がり品質はとてもシビアな水準に定め、日々取り組んでいます。
高い仕上がり品質を達成する最初の一歩は「検品」です。
そしてこの最初の手順をとても重視しています。
下記の写真1、2をご覧ください。とあるフレーム切手の台紙の一部を拡大したものです。
<写真1:ローラー跡あり>
<写真2:ローラー跡 なし>
少々分かりにくいですが、写真1には、うっすらと白いかすれ線のようなものが5本ほどあることがわかります。
印刷段階、もしくは後加工の段階でついてしまった跡です。
せっかく購入した商品にこんな線が入っていたら、残念な気持ちになりますよね?
こういった傷や不良カ所を日々チェックしているのですが、どうやって検出しているか想像つきますでしょうか。
世の中には、汚れ・色抜け・ピンホール(針で突いたような小さな穴や点)・文字つぶれなどを検知できる印刷検品機がありますので、それを導入すれば、かなりの確率で不良品をチェックできますが、すべての会社さんで導入されているわけではありません。
また、不良率の許容範囲を設定し、その範囲内であればOKとするということも大事な考えた方です。
しかし、フレーム切手はプレミア度の高い商品です。
私たちが仕上げる完成物には、万にひとつでも不良品を発生させたくないんです!
というのが、私たちの考えです。
機械の検品処理能力に人が太刀打ちできる所はありませんが、基本的には、決められたことしかできません。
決められた不良状態に該当するかどうかを判断するスピードと正確性は素晴らしいです。
でも、当たり前ですが、決めてないこと、想定外の不良は検知できないのです。
それに対して、人が行う検品処理スピードは機械に及びませんが、「何かが変だ」という”違和感”を検出することには鋭敏です。
しかも熟練することでそれは研ぎ澄まされますし、商品の意味を理解していますので、想定外のことが起きている場合も反応することができます。
人が検品をする意味はここにあり、機械やシステムではできないことを人の柔軟さで対応することだと思っています。
実際、過去には、検品部材を触っているうちに「何か変だな」と気づき、よくよく調べてみると、台紙の断裁角度が左右でズレており、きちんと二つ折にできないことを発見したり、支給元ではOKとされた部材を弊社で検品した所、ピンホールを発見したり、といったことがあります。
「私たちの検品能力はスゴイんです!」ということを言いたいのではありません。
求められる高水準の仕上がり品質を維持し続けるカルチャーが、チーム全体に共有されているということをお伝えできればと思うのです。
もちろん私たちは人間ですので、稀に不具合が出てしまうこともありますが、フレーム切手のセットアップを担当させていただいて、既に10年以上です。
仕上がり品質の水準を保ち続けていることが、長らく継続できていることの要因のひとつだと思っています。
◆その他の弊社が担当したフレーム切手事例
- フレーム切手2020シリーズ
- 北海道日本ハムファイターズ 2016年の軌跡
- 北海道日本ハムファイターズ 2018
- 北海道新幹線開業記念フレーム切手
- 923形ドクターイエローフレーム切手
- C62形 蒸気機関車 3号機 製造70年記念
など
※「フレーム切手」は日本郵便株式会社の登録商標です。